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2006年06月 の日記  ↓下ニ至ル

#skyscrapers
2006年6月2日(金)

最近はまっているゲーム。skyscrapers

いわゆる「ビルディングパズル」と呼ばれる類のパズルゲームだが、ルールとしてはそれよりもゆるい。
周囲に書いてある数字は「その位置から幾つのビルが見えているか?」を示している。手前に高いビルがあれば後方の低いビルは見えないよな? そーゆー意味。縦横のビルを数字に合わせて建てればOK。一直線上に同じ高さのビルがあっても構わないというトコが通常のビルディングパズルよりもお気楽な部分。

レベル設定も15段階あって、最初から好きなトコを遊べるというのもゆるゆるでナイス。最高のレベル15でもさほど難易度は高くない。但しレベル15だと8*8で芝を64も植えにゃあイカン。それがちと手間。っつーかかなり手間。改善しろ。最初からマス目クリックでビルが高くなればイイじゃない。いちいちドラッグさせてんじゃねーよ。

芝植えはイヤだが、それ以外はとてもお気に入りのゲームである。携帯ゲームとして発売されれば、きっと猿のようにやり続けるであろう。任天堂でないのかな? あれば買うんだけれども。
時間無視。アクション無縁のぬるーいゲームが結局好きなんだな、私ゃ。だって、たかがゲームでそんなにガリガリ脳みそ使いたくねぇしぃ。っつーか、元々脳みそナイしぃ。。。

追記:コメントを頂きました。その中の一つ。
>>ちょっとやってみたら思いっきりハマってしまいましたw
+++そう言って頂けると、紹介した甲斐があるというものですw。
>>今度は05/7/18的ネタですなぁ
+++前回といい、ホントーによく覚えていらっしゃる。折角なので、またリンクしておきましょう。 →05/7/18のネタ

#セキュリティ?
2006年6月4日(日)

総務省が情報セキュリティ集中啓発で国民にメール2000万通を送信

めっつぉ:スクウェア&デジタルニュースさんで拾ったニュース。
総務省は情報セキュリティのなんたるかを理解しているのでしょーか? 2000万通ってアンタ……。
これを機に総務省の名を語るスパムが増えそうな予感がします。ってか、私がスパム業者なら飛びつくね。
「これは総務省からの正式な通達です。疑うならココを見ろ」とかニュースサイトを書いておく。そののちに、「信用してくれたなら、さあクリック♪ →国民のための情報セキュリティサイトはこちら」なんてやる。きっとヤる。「皆様が親しみやすいようにサイトでは裸のねーちゃんのナビゲーションガイドを置いてます。開かれた総務省を目指します」なんてやっちゃう。やらいでどーする。それがスパム業者の心意気(?)ってモンですよ。フィッシングは旬を逃しちゃダメっしょう。
騙される奴ボロボロ。業者ガッポリ。ごっつウメー!!!

読みが外れることを心の底から祈っております。当れば遺憾でごじゃります。

#オーメンの日
2006年6月7日(水)

6/4
日曜は「市民大清掃」の日で、朝から町内会主催の草取りでした。
ご近所さんとおしゃべりしつつ草むしり。日頃隠遁生活を送っておりますので、日光が堪えます。溶けそうです。

「奥さんはいつもナニなさってるの?」 と、尋ねられてしまいましタ。
よく訊かれる質問です。私はどうもこの界隈で有名な引き籠もり主婦であるようです。
「ちっともお見かけしないからー」
と言われますが、アイドル歌手じゃあるめぇし、私なんぞお見かけして楽しいんか? と、逆に問うてみたいです。私だって近所の人をちっともお見かけしませんよ。お互い様というものです。

---
6/6
2006年6月6日。オーメンの日。ダミアンの夏(日中は急に暑くなりましタね)。
マイPCのファンがカラカラカラカラうるさくって敵わないので、ダンナちゃんといっしょに分解掃除してみました。
ノート型PCって、んまぁ。堅牢。裏面のネジ全部外してもまだ外せてないネジがある。バッテリ外した奥は勿論、メモリの下のネジとか、ハードディスク下のネジまでも全部外したというのに、まだ二枚下ろしに出来ません。
キーボード下にもネジがあったよ。複雑な作りになってるんだね、ノートパソコン。

掃除して、再び元通りに組み立て。
なんかイヤ〜な予感がしたよ。調子に乗って分解しすぎたんじゃね? というイヤンな予感が。
案の定、PCが起動しなくなってました。アーメン、オーメン。
何故か弄ってもいない予備のPCまでもが起動しなくなり、ダブルオーメン。呪いか???

6時間に及ぶ死闘の末、なんとか直しました。でも結局カラカラ騒音は直らない _| ̄|○|||
無意味な二枚下ろしだった? 時間を無駄にした?
でも、度胸と経験値は付いたですよ。

追記:コメントを頂きました。その中から。
>>「ネットアイドルしてます。」って言っておけば?ぴーしゅけさんの風貌は知らんけどね。
+++風貌も知らんクセにムチャ言うのぉー
>>経験地と一緒にお金は手に入らなかった?
+++逆に金は減りましタ(翌日付の日記参照)

#PCを冷やす
2006年6月8日(木)

昨日の続き。
耐え難いカラカラ騒音を発するマイPCのファン。玉砕覚悟の分解・掃除してみたが直らず。主軸が曲がっておるらしい。
で、ファンを取り替えるしかないねってコトで、PC専門店へGo。でもファンのサイズの合いそうなのが見つからないし、そもそもノートパソコンのファンをシロウトが取り替えても大丈夫なのだろうか (-"-;) ?? という不安もあって、逡巡の末、こーゆーもんを買ってきタ。

CPU集中冷却でトラブル解消! 冷え冷えクーラー
中がダメなら外から冷やせばイイじゃなーい、という発想。ってか逃げ。ちなみにこの画像はどこぞのショップサイトからガメちった。通報せんでね。これも逃げ。お値段は3000円弱也。

さてさて、試用結果。
ナイス! グッジョブ!! PC内部のファンはまだ停止させていないのだが、全く動く気配すらない。カラカラ騒音皆無。
回転速度は2段切り替えで、「強」にしてると冷却力抜群。ノートパソコンはキーボードから熱が漏れてきたりして夏場はイヤなものだが、それすら解消してしまう冷却効果。ハラショー。

但し、ファンは2つなので、それなりのモーター音は致しますガ(回転速度を「強」にした場合)。それでもカラカラ騒音よりは全然マシ。熱暴走とか防ぐにもかなり宜しいんではないでしょうか。
これでもうしばらく、PC買い換えを免れそうです(でも、今日PC屋に行った時に、「次はどんなのにしようかなー」って物色だけはしてきたケドねw)。

---
私的覚え書き
ノートパソコンは壊れたときが不便。デスクトップ型ならファンの取り替えも楽なのに。もっとお安く完璧に直せたのに。やっぱ、次はデスクトップ型にしよう。キーボード立てられるのにすれば、机も広く使えるしぃ。

追記:コメントを頂きました。その中の一つ。
>>つ団扇
+++団扇は流石にツライだろう(笑)?

#勧誘さん
2006年6月11日(日)

久方ぶりにムカついた。
ピンポーンと鳴らされたので、戸口の中から「どちらさまで?」と訊いたらば、「配達です」と返される。
宅配業者だな。amazonさんかな? と、いそいそとハンコを用意して戸を開けると、
新聞配達員の勧誘だった(その後のシツコサもなまなかならぬものがあった。○人軍、負けろと思ってしまった)。

こういう、紛らわしいやり口で戸を開けさせたがる勧誘員、結構いる。
「近所のものです」 「消防署の方から来ました」 どんどん新たな手口が編み出されている。分厚いマニュアルでもあるのかもしれない。
しかし、これやられると、ぜーったい勧誘されてやるもんか、という気にさせられる。あっちも戦闘態勢だろうが、こっちも迎撃態勢である。営業が大変なことは重々分かるが、私は信用という言葉をこそ重んじたいのだ。ハナから騙し気分で来られても、某大手掲示板でお馴染みの (・∀・)カエレ! マークが脳裏に浮かぶだけである。

ムカつきはしないが、ムナシクさせられる勧誘もある。何某かの宗教に子連れで現れるお母さんの勧誘だ。
先日のは斬新であった。小さな子どもが、「おばちゃーん」と戸口をドンドン叩いて来るのだ。その声に心当たりはなかったが、私は社宅住まいなので、どこかの子が何か困っているのかな、と心配になって戸を開けた。
宗教のパンフを持った若いお母さんがにっこり笑って立っていて、そのスカートの裾を握りしめた幼い女の子が私の顔を見上げていた。心許なげな視線がどうにもやるせない。しばし、言葉を忘れてしまった。
信仰は自由だ。しかし、子どもを道具にするな。

ムカついたり、ムナシクされたり。ピンポンが鳴ると、身構えてしまう今日この頃。
玄関口に『 勧誘 (・∀・) カエレ! 』というステッカーでも貼ろうかな、とマジメに考えていたりする。

追記:コメントを頂きました。その中の一つ。
>>ぜひ、自作して張りましょう☆
+++じゃあ、『amazonさんキタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!!!!』ステッカーも作ろうかな。

#ファン心理の複雑
2006年6月13日(火)

田辺聖子の絶版本をやっと見つけた。古本屋3件目の大当たり。ダンナちゃんも桜玉吉の本を見つける。夫婦揃って大喜び。
でも、田辺聖子の本は傷み具合がひどかった。これで他の古本と同じ100円というのは「高いよ!」と思うし、絶版であることを考えれば「安すぎるだろ!?」とも言える。そういや、私は古本屋に自分の大好きな本が売られているのを見ると、「どこのどいつがこんな良作を売っぱらっちまいやがったんだ、ムキーッ」と腹を立てるタイプなのである。ファン心理と懐具合の狭間でしばし葛藤した。全くもう。嬉しいんだかカナシイんだか。

---
「おっと、今日はサッカーの初戦だった」
と、試合後半からワールドカップを見始めたダンナちゃん。試合終了10分前になって吠える。
「あぁああぁぁ〜〜〜! 僕の所為だ。僕が観たから負けるんだ〜〜〜っっ!!!」
そういや、ダンナちゃんが観ている試合というのは、不思議と毎度負けるのであった。この試合もダンナちゃんが観ていない前半戦では勝ってたらしい。
サッカーファンの為にも、ダンナちゃんの観戦は阻止するべきですカ? っつーか、我が家は是が非にもトトカルチョを買うべきなんでは??? んでもって超法規作為的にダンナちゃんが観戦する、と良いかもよ。ファン心理と懐具合の狭間で葛藤しているスキに、ダメ押しの点が入って、日本はそのまま1-3で負けてしもーた。3点目はダンナちゃんに加えて私まで観戦していたからであろう。ジーコジャパン、ゴメンよ。

ゴメンついでに大胆予想。
この後、ペースを取り戻せず次も負けちゃう日本チーム。予選敗退。でも、ブラジル戦にだけはなーんでだかコロっと勝っちまうの。大和魂って私の脳内ではなんつーかそんな感じ。全くもう。嬉しいんだかカナシイんだか。

追記:コメントを頂きました。その中から。
>>アンタのせいだったのかーーーーーーーーっ!!!!!!!
と、ダンナ王子にお伝えください♪(笑) 

+++伝えておきます
>>あぁ、僕もダンナちゃんタイプっすね... ジンクスを覆すために、お互い見続けましょう!! > ダンナちゃん
+++伝えておきますw。上と相反する内容ですが、選ぶのはダンナちゃんの自由意志ってことで、OK?

#夢で死んだ
2006年6月15日(木)

頭がわさわさとするので鬱陶しさに掻きむしると、ボトボトと虫が落ちてきた。カメムシだかコガネムシだか、そういう緑色をした類の3センチほどの甲虫である。よく、そういう種の夢を見る。

指だの鼻だのがもげてみたり、目玉が転げ落ちてみたり、はたまた虫にたかられたりする。まことに嫌な夢であるが、そこは夢らしく危機感だの悲壮感だのは薄い。ただ漠として、困ったなぁ、どう対処したもんかなぁと、毎度途方に暮れるばかりだ。

どうやら、今宵の甲虫は私の頭の中をどんどん食い荒らしていくらしかった。脳内をがさごそと這う音がする。しきりにシナプスを食んでいる。そんな気配を山と感じる。蟻に巣穴を掘られる地面というのはこんな心持ちかも知れない。よるべなく膝を抱えて丸まっていたら、母が前に立っていた。
「DDTを撒きなさい」
私の頭に白い粉が振り掛けられた。戦後、頭のシラミ取りに使われたという殺虫剤だ。母も子どもの頃掛けられたと、そう聞かされた覚えがある。それにしたって、DDTとはなんともまぁ、時代錯誤なことである。
「まんべんなく混ぜないとダメよ」 と、母が叱るので、両手で髪の毛をわしゃわしゃとかき回した。

わしゃわしゃと混ぜくっていて気づいたのだが、私の頭には無数の穴ぼこが空いていた。丁度ボーリングの球に指を突っ込むような感触で、自分の頭蓋骨にすぽすぽ指が入る。穴を探るとかなり深い。こりゃ、ほとんど中身は喰われ尽したな、と思う。

母はこれでもか、というほどDDTをまぶす。粉が穴に詰まる。鼻がムズムズとしてくる。
「お母さん、仮にも殺虫剤をです。脳みその穴にこれだけ詰めたら、私はどうなるんでしょう、大丈夫でしょうか?」
心配になって訊くと、母は新しいDDTのビニール袋を破りながら、
「もう死んでるんだから、今更大丈夫も何もないでしょうに」 と笑った。

頭を振ってみなさい、と促されてゆすってみたら、死んだ甲虫がポロポロポロポロ落ちてきた。そのうちの1匹にまだ息があって、ヒクヒクと見苦しく逃げようとするので、足で踏みつけてやった。
あ、と思う。踏みつけてプツリとした感触と共に、昔の何かがよぎって消えた。見覚えのある塀と三輪車が見えたように思う。この虫が食ったのは遠い記憶であったらしい。

「お母さん、もう大抵のことは喰われて忘れてしまいました」
そう、告白すると、
「それが死ぬってもんですよ」 と言われる。涼しい顔である。なんだい、お母さんはまだ死んでないクセに。30年私より長生きだからってエラソウに、と、心の中で歯向かってみた。先に死んでゴメンヨ、と謝ってもみた。忘れ尽して死ぬことはとても申し訳ないことだから、せめてこの後は喰われぬように守らなくては、と心に誓った。

誓った辺りで目が覚めて、生きている自分に気がついた。
なんだい、生きてやがらぁ、と毒づいてみる。とりあえず、頭に穴もないようだ。
でも、どうも。どっかに穴が空いてる気がする。

追記:コメントを頂きました。その中から。
>>……スゴイ夢ですね。そのまま短編にしあがりそうですが。
+++私もそう思います。っつーか、そういう気分で多少、小説風に書いたンですよ、この日記。そのうち、きちんとした掌編にでもまとめてみたいものです。ただ、問題は……(下に続く)
>>こーわーいー!(>□<)
+++↑のようなコメントが凄く多かったってことですね。オカルトやる気はナイんだけどなぁ(笑)。

#唯一の怪談
2006年6月18日(日)

霊の存在は信じないことに決めている。この世の人間だけでも不条理でいかようにも怖いのに、あの世のものにまで気をやる余力などナイのである。幽霊なんて居ないったらいない。
しかし、そんな私にも、唯一「怪談」と呼べそうな経験がある。小学校の修学旅行先で泊まった旅館での出来事である。

大きな旅館であった。割り振られた部屋に荷物を降ろしてから、他の班の部屋も覗いてみたりする。どれも和室で似たり寄ったりの作りだ。広々と清潔で明るく気持ちが良い。
だが、私達は妙な事に気がついた。私の班の部屋の向かい側、廊下を挟んだそこにだけ、なぜか通せんぼをするように腰までの高さの衝立が置いてある。その先は細い廊下が続いていて、2メートル先くらいにどうも部屋がある感じなのだ。私達の居る廊下は照明が点いていて明るいのに、衝立の先は真っ暗である。その唐突な差が何か異質を感じさせる。

「ココ、なんだろうね?」
「物置かなぁ」
そんなことを言い合いながらも、その時はあまり頓着せず、そのまま1階の売店に行って遊んだ。夕飯も済んで部屋に戻ろうという時に、エレベーター横の館内図に誰だったかが興味を示した。
「ここでご飯食べたんだね」
「今いる場所はココだー」
なんて、地図を見ながら騒ぐ。

「ココが○○ちゃん達の部屋だよ」
「じゃあ、こっちが私達の部屋だ」
そうして、自分たちの部屋の向かい。もうすっかり忘れかけていたあの暗い廊下の先を私達は地図上に見つけた。そこには確かにもう一室部屋あった。ただ、他の白地に番号の書かれた部屋と違って、そこは真っ黒く塗りつぶされているのだった。部屋番号もない。リネン室というような但し書きもない。ただ黒い。大きな旅館の館内図の中でそこだけボツリと黒いのである。

嫌な気持ちがした。小学生も高学年になれば、旅館の怪談くらい聞いたことがある。誰かが自殺して、そういう部屋には死んだ人の霊が出るとか、そうするとそこは開かずの間になるんだよ、とか。怖いし、怖いというのが気恥ずかしくもあるから、誰も敢えて口に出しては言わないのだけれど、その時、みんなの考えていたのはそのようなことだったろうと思う。

で。止せばいいのに私達はその部屋を見たくて見たくて溜らなくなったのである。怖い物見たさという奴である。
暗い廊下の前に立ちふさがっている衝立には、特に立ち入り禁止とも書かれていない。衝立自体簡易なもので、子どもの体ならその横をすいっと通って廊下の奥に入っていける。

噂が噂を呼んだのか、いつの間にやら他の班の子どもたちまで多く集まって来ていた。そのうちの何人かは気味悪がって遠巻きにしている。結局10人くらいで徒党を組んで暗い廊下の奥に向かって踏み込んだ。
空気が淀んでいる気がする。シンと冷えた心地がした。単に気分的なものだろうが、及び腰でそろそろ歩く。明るい廊下から数歩分しか離れていないのに、とても暗い。壁が光を吸い取っている。そんな感じだ。

「もう、戻ろうよぉ」
と誰かが言った。私も戻りたくなっていた。暗がりの奥は障子があって、格子の内の数カ所は破れて穴が開いている。きっとそこを開けたなら先程館内図で見た黒い部屋があるのである。でも、怖いからもうイイや、このまま帰ろう。帰ってしまおう。大体、部屋には鍵が掛けられているのに違いないし。

次第に暗さに慣れた目に、先程よりもはっきりと障子が見えてきた。
そうして、よくよく見ると障子戸は、何故だかほんの少しだけ戸口が開いているのである。丁度手が一本入るくらい。まるで、「どうぞ、おいで。いらっしゃい」と呼んでる感じに。「どうしても見てくれなくちゃダメですよ」なんて言わんばかりに。

息を詰めて、戻りたい気を押しとどめ、覚悟を決めて戸を開けた。そろそろと頭一つ分くらいを開けてみた。
部屋は私達のそれよりも少し狭いくらい。畳敷きで厚いカーテンが引いてある。長く締めきったままなのか押し入れのようなジンメリとした匂いがする。暗い廊下より更に暗い。机もなく座布団もない。ガランとしている。

ただ、部屋の中央に何かがあった。私達はごくりと生唾を飲んで視線を懲らす。
そうして、その正体を知ったとき。
「ひぃぃー」 と、喉の奥から勝手に声が突いて出た。自分が叫んだと思ったが、他の子の声だったかもしれない。
恐怖が心臓を鷲づかみ、というのはまさしくアレだろうと思う。転げるようにみんなが我先に逃げ出した。明るい廊下で待っていた子達も飛び出してきた私達に驚いて「ギャア」と放つ。そのまま、廊下の橋の端まで脱兎の如く走って、そこでようやく息をついた。「怖いー」「怖いよー」と鳥肌の立った腕を擦る。泣きべそをかいている子どもも居た。

暗い部屋の中に私達の見たもの。
それは残念ながらというか、当然と言おうか。お化けとかそういうものではないんである。
血だまりがあったわけでもない。火の玉が飛んでいたわけでもない。およそ、普通なら「怖い」なんて微塵も思わないようなものがあっただけなのだ。
それは、スリッパ。

暗い、8畳ほどの部屋の真ん中に、ぽつねんと茶色のスリッパがあったのだ。
畳の上、コロリと裏返された片方だけのスリッパを見た。本当にただそれだけのこと。種も仕掛けもお化けも怨霊もナイのである。
でも、館内図で黒く塗りつぶされた部屋。衝立で仕切られた暗がり。わびしく破れた障子戸……と来て、その後のソレは大したインパクトを持っていた。あんなに怖いもんは後にも先にもアレきり見たことがないのである。マジメにぞぞっと来たのである。この世で一番怖いのは、だだっぴろい畳間に意味不明に置いてあるスリッパですよ、皆の衆!

結局のトコ、ワケ分からんものは怖いのだ。説明のつかぬ事は必死で解明しようと考える。で、考えはあらぬ方向に行ってしまう。その「あらぬ」ものがもの凄くコワイ。あの日、私達は、ただ転がったスリッパにありとあらゆる恐怖の味付けをした。そしてその自身の考えに怯えまくってしまったのである。まったく人間の想像力ほど不条理極まるものはない。

かように。この世の人間だけででも十二分に怖さをまっとう出来るのに、あの世のものにまでわざわざご登場願う必要なんかナイのである。だからね、もう一度言っとくよ。
幽霊なんて居ないったらいないんだ。いないぞー。

追記:コメントを頂きました。その中の一つ。
>>UFOは見たことあるけど、幽霊はないですなあ…。やっぱ、いないったらいないんですよ。ね?
+++ああ、そうだとも。居ないったらいないゾ。いてたまるかぁ。

#感想下さる方に告ぐ!
2006年6月19日(月)

ときーたま、小説への感想をば頂戴します。
こっちもそうそう書かずして、読み人は更に少なし……とくれば、感想なんか滅多やたらに頂ける筈もないのですが、それでも稀には頂戴しちゃうこともあるワケです。世の中には慈悲深い方がいらっさるのでありますね。

で、そういう貴重極まりない感想に、多く見られる一文があったりするのでありまして。それが、
> これからも、こっそりと応援しております。
トカ、
> 密かなファンです。また、こそっと読みに来ますね。
などというモノ。
> 陰ながら応援しております。頑張って下さい。
なんてのもある。

……なんとは、我が愚作をばお読み頂いてデスよ、挙げ句感想まで下さるような、そんないと麗しき方にはデスね、是非とも堂々と大手を振っていばりまくってお越し願いたいのですが、どーして皆さん、そげにコソコソといらっさる???
私、羞恥プレイ的作品を多く発表しておりますでしょうか? あー、イヤン、バカぁ、きゃー、ひぃー、やめてーってコトなんでしょーか? 嗚呼、よしなしごと。我が胸を不安が過ぎります。

こちらと致しましては、感想を下さる方は神であります。仏であります。もう言わせちゃって頂くなら、勝手にお友達認定なワケです。っつーか、お友達になってクダサイ、おーねーがーいーっっ! あー、イヤン、バカぁ、きゃー、ひぃー、もうどうとでもしてくれぇーと乞い慕っているワケで。だから頼むから、誰かいっしょに小説の話しよーよーっっ! と雄叫びたいワケなのです。

ネット小説書いてる人ってさ、ぶっちゃけて孤独よ。
「最近、こんな本読んだんだ」
「ふーん」
「この作家、イイよねぇ。こういうの、私も書いてみたいなぁー」
「書けるもんなら書きゃイイじゃん」
「ほら、ココよ。このフレーズがしゅばらしいと思うのよ」
「けっ」
ってなモンですよ。この引き籠もりオタクが、傍に寄るな、あっち行けシッシッと、足蹴にされます。追い払われます。……まぁ、我ながら鬱陶しかろうとの自覚はあることにはあるんですが。ネット作家さんの万人がこんな性格だとも思いませんガ。。。
サミシーんだよー。私ゃーよー。グスングスン、メソメソメソ。

っつーワケで。
誰か、に遊びに来ませんか? 私と個人的にダベってくれる人でもイイよん。
感想下さる方に告ぐ。友情、切に募集中! こそっとなんかしてないでー。

追記:コメントを頂きました。その中の一つ。
>>いや、こっちも勇気が無いのでやはりこっそりと・・orz
+++ウチのサイトは奥ゆかしい方が多いのかなぁ。管理人が管理人だから類は友を呼ぶのかなぁぁぁ??(笑)

#更新停止命令
2006年6月20日(火)

なんとですね。昨日の日記での参加者さんがお一人増えたんですよ。ああビックリ。嬉しいビックリ。何でもやってみるもんですね。恥も外聞もかなぐり捨てた者が勝ちですか? っつーか、勝ち誇ってイイですカ?(笑)

でね、寺の共同管理人のみゅうさんがね、その朗報を聞きつけて、
「しばらく、TOPページは19日付けの日記貼ってろ。更新すんなっっ!!!」
って仰るんでス。ンまぁ、更新停止命令ですよ。このまま芋づる式にカモがネギしょって現れることを待ち望んでおられるのでしょうか。な、なんと強欲な。そんな欲タレて、昨日のカモさんにまで逃げられたらどーするんです?(なら内情をバラすなよ)
もちろん、私だって、もっともっとお仲間は増やしたいですからね。だから、19日付けの日記はしばらくTOPに残します。カモさんお待ちしています。早く誰か来て〜、更新しにくいっっ(爆)

---
で。本日ナニかを設置しましタ。ちょいとお試し期間してみます。
興味のある方は、下のフォームに「ナニナニ?」ってコメントを入れてみましょう。ちなみに、大したモノではありません。ナニかを知った挙げ句、腹を立てるの禁止です。立腹禁止命令です。そこンとこヨロシク。

追記:コメントを山盛り頂きました。その中の一つ。
>>ナニナニ?
+++沢山の方がバカ正直に「ナニナニ?」と書き込んでくださいました。立腹して殴り込んで来なさった方は今のところナシみたい。な、なんてみんな温厚なんだ! そんなんウチのお客じゃねぇだろー! と戦慄を覚えました。ああ、これでは私一人が悪者ではないですか。「ナニナニ?」コメントが増えるたび、胃が痛くなってきている小心者な私……。 _| ̄|○ ううう
設置した「ナニか」に反応してくださった方、どうもありがとう♪♪♪

#ナニか
2006年6月22日(木)

去る20日に設置した「ナニか」が、なかなか面白いことになってきている。
「ナニか」とはナニかというと、えーっと、結局の所「チャットルーム」だ。
でも、それを「掲示板感覚」で使っているというのがウリってかミソ。つまり、気分としては、「最大50件分しかログの残らない掲示板」なのである。うっかりすると、管理人すら折角の書き込みを見逃してしまう恐れがある。ハラハラ、ドキドキ(笑)。

誰も入室せず、書き込みもしなければ、過去ログはいつまででも残り続ける。でも、誰かと誰かがチャットルームで運良く邂逅し、話に花でも咲いたなら、ログは一気に消え去っていく。50件くらいアッという間だ。
どんどん千客万来して欲しいんだカ、あんまり使い込んで欲しくないんダカ、管理人にも己が心中を計りかねるという恐るべきシロモノ。それが我がゴゴスイのチャットルームなのであ〜る。

昨日は、とある書き込みに返信して、そのログが早くも消えそうな予感がしてかなりビビった。でも、そのビビり気分がなかなか良かった。こーゆーのもアリかな? と思う。スリリングにコミュニケイトしましょうじゃないか、お客さん。

ちなみに、上記のような性質上、このチャットは重要な案件にはまず向かない。ちょっとした、消えても悔いのないくだらぬ書き込みにこそ向いている。「くだらぬ」の程度については……まぁ、ウチのお客さんを信じるほか手はナイ。

初めてさんのゲストブックとしても有効ですよ。歓迎します。但し、私の目に留まるかどうかは運次第だけれども(苦笑)。

---
チャットルームはしばらくの間、お試しとして置いておきます。何処か場所が分からない人は、「案内所」を見ましょう。もしくは、相変わらず、TOPページ下のコメント欄に「ナニナニ?」って入れてみようね。そのうち気づくよ。

追記:コメントを頂きました。その中の一つ。
>>書き込んでみました。
+++どうもありがとうございます。時間的に見てuの字のつく方ではないかとお見受けします。例えハンドルネームでもお名前があると、親しみ度がググーンとUPしますねぇ。なんか嬉しいよなー、こーゆーの。チャットの方にも返信しましタ。見ていただけると良いんだけど。それまでログが流れてないとイイけどなぁ。うーんドキドキ(笑)

#人を呪わば
2006年6月23日(金)

幼稚園の頃、工事中のジャリ道で転んだ。
あっぱれ豪快に転げたもので、数十年を経た今日でも傷跡がうっすらと残っている。

両足の膝小僧が擦り剥けて、その中にジャリがしこたま食い込んだのだ。もうね、血がダラダラ出た。大泣きしながら家に帰った。工事現場のおっさんがそんな私を見て笑っていて、憎々しく感じたものである。「オジョウチャン、ダイジョーブー?」 じゃないっつーの。大丈夫じゃねぇから、こっちはギャンギャン泣いてるンだよ。チキショウ、コナクソ、バーカバーカ。

おっさん達への呪詛を念じつつ家に戻ると、今度は事態を知った母が、私に代わって呪いの言葉を吐き始めた。工事のおっさんに対してではナイ。なんと、母はワタクシを。ハゲシク呪っているのである。
「もう。お母さんにこんな治療をさせるなんて。この親不孝者!」 とわめく。

母は私の膝小僧に埋め込まれたジャリ石を一個一個根気強く取り除く作業を、その時していた。母は血を見るのが嫌いである。特に、自分の子どもの血を見るのが大嫌いだ。それなのに、よくも怪我して帰ってきやがったな、このクソガキャ! と、すっかり逆上しているのである。母の思わぬ逆上ぶりに、こっちは涙も止まってしまった。

消毒薬は染みるし、母は阿修羅のごとくだし、両足には穴がほげている。私は世を儚みたくなった。
しょうがないから、黙ったまま膝小僧を眺めていた。ジャリ石の埋まった見るからに痛そうな自分の足を眺めていた。

人を呪わば穴ふたーつ!
ゴメン、ハゲシク誤用である。


■お知らせ
明日から、2,3日出掛けます。チャットは無法地帯放置状態になります。先に謝っとくね、ゴメン。

追記:コメントを沢山頂きました。その中から。
>>『穴がほげている』の意味がわかりません。何語デスカ?
+++「穴がほげる」→「穴があく」。私の地元の方言です。
>>私も小学校4年の時にサメ肌状のコンクの坂で転んでえらい痛い思いをしました。恐らく20分は泣き叫びましたが、通りかかる人は誰も助けてくれず…自分を助けるのは自分しかいないと悟りました。本当に。
+++痛みに耐えた20分間で、自立心を養ったのですね。それにしても、痛そ〜〜〜っっ! 痛みを伴わぬ自己改革は行えないもんなんでしょうかね。小泉総理に訊いてみたい。
>>お留守にお邪魔します。
+++留守中にもコメント頂けて、とってもシアワセ。帰ってから楽しく拝見しましタ〜♪
>>チャットの入室前の文章、以前と違う気が・・・?
+++スルドイですね。ちょっと前に変更しました。
前「○○さんが入室しました」 「○○さんが退室しました」
今「○○さんが現れた」 「○○さんは去っていった 」
ちょっちRPG風味???(笑)

#TiddlyWiki
2006年6月26日(月)

Wikiに今更ながらハマっている。以前紹介したXTMemoが好きな方は気に入るんじゃないかな? しかも、こちらはブラウザで動く。winもmacも関係ナイ(但しエンジンはGeckoでないと動かない)。

気に入って使っているのは、GTDTiddlyWikiというタイプ。これはローカルで簡単に動かせるのがイイ。興味のある人は、
TiddlyWikiのススメ
TiddlyWikiに関するメモ
GTDTiddlyWiki - your simple client side wiki
この辺をどぞ、ご参考に。ちなみに、使い方や設置法を私に質問するのは禁止。
書式等、初めの取っつきは悪いけど、慣れてくると使えるぞ。ファイルもHTMLが1個だけだし(それが便利なときと不便なときがあるかとは思うガ)。

KamiWikiScrapMemoもいいなーと思う。ただ、ローカルで動かすのはちと手間。「ローカルで動かすなぞ、なにゆえのWiki?」 とか訊かれると、非常に困ってしまうけど。wikiは個人のちょっとしたデータ管理にだって便利そうじゃーんと思ってしまうワケよ。私としては (^^;。

これを元に書評の個人データベースが作れないかなーとマジに思う。
蔵書目録の合理化はマジメに思案しているのだ。何せ私は鳥頭。読んでも読んでもハシから話を忘れてしまう。大好きな作家名すらすぐに忘れる。脳の構造に致命的な欠陥があるのかもしれんなぁ、とマジに危ぶんでいたりする。

TiddlyWikiにASIN入力したら即座に書影と本の情報をamazonさんからガメてくるような、そーゆープログラムを載っけられればイイんだよな。はてなのブログみたいな感じで。
……問題はその脳みそがどうにも足りねーということだ。

#<愛コン日記206> 一度言ってみたかっタ
2006年6月27日(火)

ぴーしゅけ姫とダンナ王子の「愛コン日記」本日のお話
夫婦で家電量販店へ行きました
あ、あっちの方もちょっと見ていい?
言い終わる前から、既にスタスタと目的の売り場に向かって歩き出しているダンナ王子。
その後を追って行きつつ、ぴーしゅけ姫は言ってみタ
イヤ!
妻の予想外の返事に驚くダンナ王子。そして、その後怒り出す
なんだよ! どうせついてくるクセに、どーしてそんなこと言うんだよ。
そんな意地の悪いこと言うなら、もう次からは訊かないからな!
……あのサ
「〜していい?」と質問形式で訊かれた以上、私は私の意見を言ったってイイんじゃない?
第一。どうせ、ついて行くんだから、ゼンゼン実害はナイでしょうが
……ナルホド。それもそうだね
  • そして、何事もなかったように、二人は目的の売り場へ。
    きっと、そのうち、小物屋にてやり返されそうな予感がするなぁ〜w。

追記:コメントを頂きました。その中の一つ。
>>そこで肯定してはいけないと思いますダンナ王子よ
+++お互いに折れるべき所をわきまえてる、と善意に解釈してやってつかーさい。

#カボチャ狂想曲
2006年6月29日(木)

大きなカボチャを丸ごと一個頂いた。
何なりと旨げに調理して、食卓に供さんと欲するのだガ、いかんせん私にとって丸ごとのカボチャというのは鬼門である。 毎度毎度、二つに切り分けるのに四苦八苦させられる(参考:2004年7月16日の日記)。

今回も意を決して臨んだが、予想通り包丁の刃が入っていかぬ。入れば入ったで、今度は抜き差しがままならぬ。汗だくになり、髪を振り乱し、ゼエハア息を荒くして、まな板の上のカボチャとまんじりと対峙する。殺意が芽生えた。

いやしくも野菜たるもの、さかさかスカッと調理され、卓上にのぼり、うまうまと食されてこそ本懐ではないか。天地の滋養をたっぷりと含んだその身を食膳に捧げずして、そもなにゆえの貴様の生ぞ? てめぇ、キリキリ往生しろ!

宥めたり諭したり、脅したり呪ったりしながら、やっとのことで二分した。
どっちかっつーと、私の方が往生させられた感がある。切った半分で夏野菜のカレーに仕立てる。旨し。
残りは後日、厚焼き豆腐と煮物にしたり、サラダを作る予定である。こっちも往生させられた以上、きっちり完食して、本懐を遂げたき所存であル。

追記:コメントを頂きました。その中の一つ。
>>丸ごとレンジで切りやすくなるくらいの柔らかさまで加熱するとラクだよん。
どーせ生で食べるもんでないし、下茹でがわりに。便利よん♪

+++それだと生煮えちゃって、日持ちがしなくなったりしません? ウチは夫婦二人なのでカボチャ丸ごと完食には、けっこうな日数が掛かるんですが。


2006年06月 の日記




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