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174 デビューとレビュー
2008年3月4日(火)

実家の近所には市の図書館の分室があり、母はよく利用しているのだが、足を悪くして以降、洋式トイレしか使えないので、
「ここ(図書館)は和式トイレしかなくて不便だ」と言う。

で、私が、
「障害者向けの車いすでもOKの奴が、そのすぐ横にあるでしょうが」と即答すると、
「えぇ!」っと驚きヤがった。なんでそんなに驚くんだよ。最近の公共施設で障害者向けの設備はナイとこの方が少ないわい。
自分の記憶を確かめるため、母を伴って図書館に行くと、やっぱり、障害者用の広い洋式トイレがある。母、大喜び……の挙げ句、
「なんであんたは普段来ない図書館のトイレにまで詳しいのよ?」とのたまう。「変な子」だと。
あんまり不思議そうに言うので、腰が砕けそうになった。

じゃあ、図書館に来る度に必ず通る筈の通路にデカデカと書かれたトイレマークに全く気づかない母自身はどうなのカと。そっちがよほど「ヘン」だろうよとっっ。
「ヘンー」、「ヘンー」、と指差し合って図書館にて言い合う。ハタから見たらどっちもヘンだ。

「折角だから、使い心地を確かめてくる」と、母は障害者用トイレに消えた。
母の図書館トイレデビューである。
でもって、出てくるなり、
「広すぎてなんか落ち着かない」
「水を流すボタンがどこか分からなくて大分探した」と言った。
こっちはトイレレビューである。

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