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116 たらちねの母は憎らしい也

知っている読み方であるにも関わらず、わざわざ心の中で間違えたモノに変換して読んでいる漢字がある。
例えば、「台詞(せりふ)」という字。これを私は「だいし」と読みたがる。書く時に「セリフという字はダイシと書く」と覚えているからだ。いや、正確にはそう覚えていないと書けないからだ。

似たもので、「造詣(ぞうけい)が深い」は「ぞうしがふかい」と読みたがる。「雑木林(ぞうきばやし)」は「ざつぼくりん」で「時鳥(ほととぎす)」は「ときとり」だ。

最近、その「自分で分かってやってる」筈の読み間違いの幾つかを、マジでやってる時があることに気がついた。人としゃべっていて、ついつい「ぞうしが深いねぇ〜」なぞと語っているのだ。コレはかなりに恥ずかしい。

それに気づいたのは、ダンナちゃんが、「アンタ、時々間違ってるよ」と、教えてくれたからである。ダンナちゃんは家族で、遠慮がないから間違いを正してくれる。でも、友人や知人は? 私が妙な言い回しをしたとしても、わざわざ正してはくれないだろう。ってか、私に恥を掻かせまいとして、きっと沈黙してくれているのだろうと思われる。私は知らず知らずのうちに、きっと山ほどの言い間違いの数々を犯していたのに相違ない。
ああ、ダンナちゃん。気づかせてくれてありがとう。貴方はステキな家族です。以後、言い間違いを減らすべく、精進努力しようと思います。

しかし。
ここで、「・・ン?」と疑問が生じる。私の家族はダンナちゃん以外にもう一人。私を産み参らせたご母堂君がいらっさられるではないか。何故、母の口からただの一度も「アンタ間違ってるよ」の声を聞いたことがナイのだろう?

疑問に思って、先日、母に訊いてみた。
母の解答。
「ああ、昔から間違ってるなーって思うとったよ」
えぇぇぇ〜〜〜? それなら、何故に教えてくれない?? と思ったら、スゴイことを言われてしまった。

「こんバ〜カが。いつになったら気づくとやろか? と思うて、放っておいた」
えぇぇぇ〜〜〜? 娘が恥掻くの奨励ですカ? アンタ、それでも人の親か〜〜〜!?

どっか、変わった親だとは知っていたガ、よもやここまでとは思わなんだ。
私が阿呆なのは、親の遺伝子の所為だ。親にも如何ともし難かったのだ。恨むまい・・と思っていたガ。今後、考えを改める。

私が阿呆なのは、親の性格の悪さの所為だ。ムッチャクチャ遺憾である。恨んでやる〜!!!

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