092 腹はバケモノ
腹はバケモノ。
やうやう重くなりゆく体重、かなりヘコミて、
青くなりゆく顔の細くひくつきたる。
パンツのゴムの食い込みたるも哀し。
喰うは夜。
深夜であれば更なり。
闇もなほ、コンビニの看板、おほくうち光りて誘いたる。
また、ただ一つ二つなど、家に残った物を喰うもをかし。
手に取るもお菓子。
食欲は気まぐれ。
魔の差して、コンビニいと近うなりたるに、買いに行くとて、
冷凍食品、レトルト食品などのつらねたるを、
三つ四つ、二つ三つなど、取り急ぐさへあはれなり。
まいて、清涼飲料のいと大きく見ゆるは、いとヤバし。
困り果てて、腹の音、ヨダレなど垂れるは、はた迷惑に如かず。
節制はつとめて。
体重計に乗りたるは言ふべきにもあらず。
霜降り肉と言われても、またさらでも、心いと寒きに、
ジョギングなど急ぎ走りて、付け焼き刃を重ねたる。いと苦々し。
中年になりて、肉のゆるく成り行けば、
腹の肉も垂れて、醜いしわがちになりてわろし。