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091 何か分からないけど、黒いもくもくしたヤバい物

優雅にコーヒーなど啜りつつ、本を読んでいたら、窓の外から子供達の声が聞こえる。
小学校低学年くらいの女の子達が、数人で遊んでいるようだ。

のどかじゃのぅ〜
と、思っていたら、何やらにわかに、少女達が騒ぎ始めた。

「あ、アレは何?」
「あっちの空がヘン!」
「もくもく雲が出てる!」
「あれ、雲なの? 雲じゃないよ、真っ黒いのがどんどんこっちにやって来てる!」
「こわい、アレなに? 近づいてくる!!」


・・・おい、何だ? 何なんだ??
一体外では何が起こっているんですカ? 天変地異でも起きてんのかよ?
私ゃ、余裕ぶっこいて、コーヒー飲んでる場合ではナイんですカいっっ!?

すわ、テポ○ンか? イナゴの群れか?
おっかなびっくり、窓の外を恐る恐る見てみたら、女の子達が、

何か、演技にのめり込んでた。

「いやぁぁ〜〜〜 助けて〜 おかあさ〜ん!」
「もう私はダメ、あなただけでも逃〜げ〜て〜!」
「バカ、置いていけるワケないじゃない!」

ものすごく、迫真の演技である。
私は少女達を襲う『何か分からないけど、黒いもくもくしたヤバい物』が見えるような気すらした。


ヘタな本なんぞ読んでいるより、ずっと面白かったのデ、終わりまで見物してましタ(笑)。
彼女たちは10年後、きっと大女優になっているんだろう。間違いない。

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