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071 美学探求(1) トイレの落書き  ※より抜き日記--02/09/24

観光地のトイレの壁なんかに、時々こんな落書きを見かける。
「○月×日 ××先輩といっしょに来ました ○△子」
「とっても楽しい旅行だよ♪ ○美」

私はココまでやって来たんだゾ! という記念の落書き(?)なんだろーが、このようなモノを見かけると、女帝サマは○△子さんや○美ちゃんの品性を疑う。

敢えて、トイレに書き込むのは、恐らく個室で、誰からも見咎められないからなんだろーが、
トイレに己の名前を刻んで楽しいンですカ? 嬉しいですカ?
自己嫌悪にはおちいりませんカ? キチャナイとは思いませんか?
っつーか、あんまし長く個室に篭ってるト、大の方だと思われますよ(まあ、誰でも致すモノですガ・・)。

相合傘で彼氏との名前を刻んだものもある。ご丁寧にハートマーク入りだ。
アナタの純(・・かどーかは知らないが)な愛の証を、トイレの壁なんぞに刻み込むのは如何なものか。
永遠のメモリーだったら、どっか他所でやりなさい。ハエがとまっていますワよ。
っつーか、<臭い仲になりたい>という縁起でも担いでいらっさるのカシラんらん?

「お暇だったら、TELしてね♪ ○代」
・・・・ココまで来ると、もうハゲシク解らない。
「○△公園のトイレの落書きを見て、TELしてま〜す♪」
ホントウにそんな台詞でTELをして来る輩がおったとして、
「きゃぁ、ウレピー。ワタシ、寂しかったの〜」
トカ、言うんだろーか? そんな怪しげな人物と友達になるよりは、孤独に浸っている方が、ナンボかマシではないのだろーか?

まあ、類友ってコトで、それはそれかも知れないが、公共のトイレは万人のモノなんであって、同じ公共でも、駅の伝言板などとは種類が違うのだから、他者にとって見苦しい落書きなんぞはするべきでナイ。


しかし。厭くまで<女帝サマ裁定で>という限定付きだが、トイレの落書きにも素晴らしいモノは存在する。
以前、ワタクシが入ったある公共トイレに書かれていた言葉。それはこういうモノであった。

「よう来たな、まあ、座れ・・」
墨痕黒々と筆された(いや、マジックだったケド)その言葉を、女帝サマは、素晴らしい! と思った。
ええ、ええ。座らせて頂きますトモ。遠路はるばるやって来て、エエもん見せてもらいました・・・。

トイレの落書きにだって、やはり、ユーモアは必要なのである。
ユーモアがあれば、許せるのデある(あくまで女帝サマの意見で! ですよ)。

ワタクシの母も若い頃、ナイスな落書きを見た事があるという。
便器の前で腰を下ろすと、前の壁の、ちょうど視線の位置に 「右を見ろ」 という小さな文字があったそうだ。
つられて、右を見ると 「左を見ろ」 促されるままに左を向くと 「上を見ろ」。

そうして、母が仰ぎ見たトイレの天井には
「キョロキョロするな!!!」 とデカデカと書かれていたんだそーで・・・。

まあ、一部の人には、ユーモアより怒りを感じる種類の落書きなのカモ、なんだけど。
やはり、怒りながらもクスっと笑ってしまいそうだ。憎ったらしいケド憎みきれない、この落書きの製作者の並々ならぬ才能を感じる。

っつーか、才能もだガ、根性や気概もあるのかも知れない。
前、右、左。壁に落書きするのは、そう難しいことではないが、天井に書くのはどーやったのカ?
母の記憶によると、梯子とまではいかないガ、踏み台くらいは必須な感じの、トイレの高さだったという・・。

踏み台持込で、トイレの落書きを敢行する。そしてきっちり完遂する。
敢えてそこまで。ナゼにそこまで???

そこに、トイレの落書きの美学がある。ココロの琴線に触れる何かがある。少なくとも、女帝サマはそー思う。

○△子さん、○美ちゃん。貴女たちはまだまだデス。精進するまで、ヘタクソな落書きは止めときなさい。そして、落書きの王道を行く人達の為に、キャンバスは白いまま残しておいてあげましょう。

っつーか、悪いことはしちゃアカンよ(笑)。イタズラ書きは止めましょう。

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