日記(TOP)
エッセイ
小説
ライン
案内所
リンク






 TOPエッセイひねもす目次01>043

043 懺悔(ざんげ)

 時は少し遡る。 我が家の米びつに突如虫が発生した。
 気づいた時には既にかなりな数である。おそらく実家(ダンナちゃんの)から送られてきた米の中に既に虫ちゃんが存在していたのであろう。これまで、女帝サマ宅では学生時代から現在に至るまで1度も虫を発生させたことはなかったし、常から虫除け材を切らしたこともなかったのだから。
 何よりも、気づいた時の虫の増殖数がハンパではなかった。
 こんなん、1日や2日でここまで増えるかい!!(・・・と思うよ。絶対とは言わんけども)

 ・・・などと原因は他人様の所為にするとしてもダ。
この場合、重要なのは『結果』であろう。やっぱりね。

 女帝サマはかなり困った。米に付いた虫ちゃんは天日に干せば一発撃退!ってコトは知識として知っている。
 だがしか〜し!  あな哀しきかな、女帝サマのお住まいである社宅のベランダは数キロの米を干せるほど広くはないのである。っつーか、タダでさえ狭いベランダの日の当たる場所がかなり狭いのでありますよ。しかも、ここは地上4階。 ワタクシには1階まで降りてって、他の社宅の奥様方もお通りになる駐車場近辺に虫付きの米を干す勇気などごじゃりませんのでございます。
ああ〜。哀しきは社宅妻!

 で。日々ど〜したもんかと悩みつつ、今日喰う予定の米のみを天日に干すという、かなりに消極的な対処を続けること〇日目。
 根本的な対策を取らなかった為か、いやさ、最近の異常な高気温の成せる技か!!  米びつの中の虫ちゃんはオカルトチックなまでの増殖を遂げてくれたのである。

 もう恐ろしくて自分では米びつを開けない。
 「アンタん家から来た米や〜」 を免罪符にダンナちゃんに開けてもらう。
 そしたらそしたら・・・

 虫ちゃんは卵クンを米粒の中に産んでるのね〜。そんでもって、卵クンは米粒の中で孵化(ふか)なさって、幼虫さんは回りの米粒を食しながらご成長あそばしますのね〜のね〜のね〜。

 あの小さき米粒の半透明なその中に、幼虫の(うごめ)く姿を見つけた時のワタクシの心中。
 誰か、どうか、察してくれい!!! 理科も生物も好きな教科だったケド、こんな「生」な理科はイヤァァァ〜〜〜!!!

 女帝サマは懺悔致します。
 女帝サマはお百姓さんのご苦労の結晶であるお米をとうとう捨ててしまいました。許して下さい。許して下さい。 だって、あのお米は既にオカルトだったのです。ホラーだったのです。
 普通のお米にはその1粒1粒に7人の神様が宿っていらっしゃるそうですが、、あのお米の粒の中には虫さんが宿っていらっしゃったのです。女帝サマにはとても耐えられませなんだ・・・。

 とうとうお米は捨ててしまいましたが、勿体無いともやっぱり思うし、お義母さんに申し訳ないとも当然のごとく思います。しかし、自責の念よりもなによりも。未だにホラーな米びつの中身を思い出すたびにジンマシンが出そうなのです。夢にうなされそうなのです。

 嗚呼・・・ 誰か、どうか、察してくれい!!!

 米虫コワイよー!!!

<1つ前のページへ戻る (※要JavaScript)

TOPへ↑上ニ至ル