日記(TOP)
エッセイ
小説
ライン
案内所
リンク






 TOPエッセイひねもす目次01>040

040 女帝サマとて敵いません

 女帝サマは社宅にお住まい。WEB上ではナニが何だか? なワタクシも、現実に立ち返ればアナ哀し。 「一介の主婦」なのでゴザイマス。社宅と申しますからには、人間関係なぞ複雑です。椿事が起きます。怪奇現象が勃発します。 時々、放火したるゾ! おんどりゃあ〜!! などと発狂しそうなクライです。

 さてさて、つい先だっての爽やかなりし、とある朝。女帝サマはゴミをお捨てになるために、社宅の階段を下っておられました。 いつもはヒエラルキーの下層階級に属す(らしい)ダンナちゃんが、出社のついでに出してくれるのでアリマスが、その日のダンナちゃんは、ご病気にてダウン中。

 いかに非情の女帝サマとて、お熱のある夫に向かって、
 「ゴミ出しに行って来やがりクサレ!」 とは流石に申せませなんだ。
あら?ワタクシって案外慈悲深いのネ♪ ほっほっほ〜のほっほっほ。

 そうして、階下に下る途中、同じくゴミ出しに出られた奥様Aと遭遇してしまったのです。

 「おはようございます」
 「あ〜ら、おはようございますぅ〜」

 あいさつ一つから始まる健全な社宅生活。コレ、主婦の基本でゴザイマス。
 「あら?今日はご主人は?」
 「はぁ、ちょっと風邪をこじらせたようでして・・・」

 我が家のゴミ出し係りが夫だと、既にチェック済のご様子です。あな恐ろしや。チェックおばさん!!
 どこそこの息子が植木を折っただの、違法駐車があっただの、まあ、一体幾つの目ン玉をお持ちで? と伺ってみたくなるようなチェック大好きのご婦人です。 ・・・・コワイですね。

 「あ〜ら? じゃあご主人、今日はお休み?」
 「はあ、ちょっと熱が高いので・・・」
 「そう・・タイヘンねぇ〜お大事に〜」

 この場はそれですみました。
 そして、このような台詞が出てくるということは、当然このままでは、コトはすまなかったのでございます。

 午後、用事で買物に出かけておりましたワタクシが家に戻って参りますと、お布団におとなしく寝ておりました筈の夫が起きております。しかも、服まで着替えている。どうしたと言うのでしょう? 確か今日は一日寝ていると申しておりましたのに・・・
 「なんで起きてるの? 服まで着替えて・・病院に行ったの?」
 「いや、違う」 ダンナちゃんは、赤い顔をしております。熱で赤いと言うよりはどうも怒りで赤いような・・・

 「じゃあ、なんで?」
 「下の階の奥さんAに呼び出された」
 「はあぁ〜???」
 なんじゃいナ? そりゃ??

 夫の申します事には、ワタクシがお出かけした後、電話が鳴ったのだそうです。
 奥さんAが、タンスを移動するのを手伝うように夫に申し付けたのだそうです。
 「朝、今日はご主人が家にいらっしゃるって、奥さんから聞いてたから〜」 と言ったのだそうです。

 夫は仕方なく、熱のある身体に服を着せ、Aさんの家で肉体労働をやったのだそうです。とっても重いタンスをひいひい言いながら動かしたのだそうです。受話器を取ってしまった自分を呪いながら・・・

 ・・・・ちょっと待て。
 確かにワタクシ、本日夫が休んでいると申しました。しかし、熱があって、寝込んでんだとも言っただろうが〜〜〜!!  アンタ 「お大事に」 と抜かしただろうが〜〜!!

 他人様の具合の悪い夫を使う度胸があるなら、なんで、てめぇの亭主を使わん!  若しくは業者呼べよ!業者〜!!

 ワタクシの夫はワタクシの所有物でアリマスのです。
 決して、奥様Aにこき使われる為に存在しているのではナイのです。
 勝手に使用すんじゃねーよ! クソババア!!! はあはあはあ。嗚呼…ちょっと思い出し怒りが・・・

 社宅とはオソロシイ所。ヒトの健康を害する所。魑魅魍魎(ちみもうりょう)の徘徊する場所。
 女帝サマとて、敵いません。

 ただ、ひたすら、夫の風邪なりと感染しているように…と、呪いの呪文を唱え続けるワタクシなのでございます。


 昨日会ったケド、ぴんしゃんしてた。流石は妖怪、強いワね。 (T-T)

<1つ前のページへ戻る (※要JavaScript)

TOPへ↑上ニ至ル