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026 「赤い・・・」シリーズ  第1話 学校にて

 皮膚が弱いと鼻の粘膜も弱くなるのだろうか? 私は中学、高校時代頻繁ひんぱんに鼻血を出した。ハナを噛んだりしても勿論出るが、全く何もしていなくても突然タラリと出るのである。寝苦しくて目を覚ますと、布団と枕が血まみれだったということもあった。これは、その頃のお話である。

 あれは高校の時であったか。折りしも苦手なグラマーの授業中、私は鼻血を出してしまった。なかなか止まらず、持っていたティッシュはおろか、ハンカチまでグチョグチョになっても、まだ止まらない。近くの席の子はティッシュを持っていなかった。
 仕方がない。私は先生に断って保健室に行くことにしたのである。

 さて、教室を出た私は先ず、手近のトイレに駆け込んだ。ポタポタ血液を廊下に振りまきながら歩く訳にもいくまい。それでは「猟奇殺人事件」になってしまう。トイレットペーパーをもらおう、と思ったのだ。
 トイレットペーパーを鼻に当てて、一息ついて。そこで、私は考えた。なにも、保健室まで出向くことはないんじゃなかろうか?  先程もティッシュさえ沢山あれば、わざわざ教室を出ることはなかったのである。幸い紙はここに沢山あるのだし、たかが鼻血ごときで保健室の世話になるのはゴメンこうむりたい。

 余談になるが、私は学校の保健室が嫌いだ。正確には保険の先生が嫌いなのだ。身体検査の時にヒトの腹部の手術後を目ざとく見つけては、いちいち 「何の手術したの?」 と聞いてくる。毎年毎年聞いてくる。すぐに忘れちまうんなら、聞くなよ! と思う。
 小学校の時の保険医なんか、「あなた何日お風呂に入ってないの? キタナイ子ねぇ」 と抜かしやがった。私は毎日お風呂に入っていた。ただ、アレルギーで肌がカサカサしていただけである。それをアカかなんかと見違えたらしい。

 まあ、私の出会った保険医が特別デリカシーって奴に欠けたお方達だったのかもしれないケレドモ。
そんなワケでそのままトイレで出血の止まるのを待つことにした私であった。

 ところが、出血はなかなか止まらない。残り時間が10分程しかなかったので、そうこうしている内に授業時間が終わってしまった。

 そうしたら、トイレにやって来たクラスメートが
 「ぴーしゅけ、こんなトコに居たの?先生がカンカンに怒って捜してるよ!」 と言うではないか!
 グラマーの先生は授業が終わってすぐに保健室へ行ったらしい。そして、私が来ていないことを知り、授業をサボったと思ったんだそうである。

 結局、トイレに居た理由を説明して、先生に納得してもらったのであるが、鼻血を出していたのは先生だってその目でしっかり見ていなさった筈である。
 花も恥らう女子高生が鼻血垂らしながら、一体どこに行くってゆーの?
 鼻血タレタレ街をブラついてるとでも思ってたんかい! ええ!?

 ちなみにワタクシ、その当時流行のひしゃいだ(つぶした)カバンにもしていなかったし、授業サボったことなんて1度もないし。しごく品行方正な学生だったんですよ。
 いや、本当に。

 教師って、ナニ考えてんのか分らない…。そう思ったことでした。

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