022 誡めのオブジェ
ぴーしゅけも、まあ、生ものですから、人生いろいろありますデス。
すっげーイライラして、それに耐えられないと思うことも、まあ、ありマス。とにかく、誰でもいいから 「ちきしょう、フザケテんじゃねーよ!」 などと、罵声を浴びせて、蹴りつらかしたろか!と、良からぬコトを考えたりしてしまうワケです。
まあ、ワタクシは、良識ある大人ですから、実際にそんなコトは致しませんよ(ダンナから、クレームが来そうダワ)。
しかし、どうしても過去に1度だけ「このままでは、気が触れてしまう!」とゆーほど、イライラが溜まりにたまったことがございました。
で。その時、何故かワタクシは、よくドラマなどで見かける、「皿を床に投げつけて割る」という行為をいたしてみようではないか!と思ったのでございます。幸い、どこそこの景品でもらったというような、不要なお皿も数枚あります。
よし、こいつらを、いっちょ盛大に割ってやって、このウサをはらそうではないか!
それは、とても素晴らしい考えと思えました。
ワタクシは、ウキウキと皿を用意致しました。そして、いざ、割ったろう!という時になって、ハタと悩み始めたのです。
皿を割るのは良い。しかし、このまま割れば、当然のごとく、皿は粉々になり、周囲に飛び散る。そして、それを掃除するのは------>私じゃんよ!
お皿を割った経験(別に故意でなくても)のある方にはお分かり頂けると思いますが、割れた皿の後始末は、結構テマのかかるものです。下手すると、指などケガする恐れもあります。
ワタクシは考えました。皿は割りたい。このさい、どーしても割ってみたい。徹底的に粉砕したい! しかし、事後処理はゴメンである。ジレンマでございます。
う〜む。外に出掛けて、誰も見ていないような空き地ででも、皿割りをしようか…。でも、そのあとを片付けないのは、やはり道徳にもとる。第一、犬やネコでも、破片を踏んづけて、ケガをさせたら、どうしよう…。
悩むことしきり。とうとう、良い案を思いつきました。皿をビニール袋に入れて、それごと床に投げつけちゃえば良いのです。この方法なら、皿も無事割ることが出来、しかも、後の処理もいりません。
さあ、ワタクシは、イソイソと皿を丈夫そうな袋に詰めました。中身が見えた方が、割ったときの気分も良かろう、とワザワザ透明の袋を用意しました。
そして、いざ、腕を大きく振りかぶったところで。
なんともはや。ワタクシは、馬鹿馬鹿しくなったのです。
ついでに言えば、真剣に「皿をどうやって割るか」について悩むあまり、それまで考え、悩んでいたことを、すっかり、頭から追い払えていたのです。
危うく、難を逃れたお皿さんは今もビニール袋に入ったまま、戸棚の奥に仕舞ってあります。
「本気で、真剣になって悩んでいることも、ちょっとした発想の転換で、案外たわいもなく解決したりもするのだよ」、という、ワタクシ自身への「誡めのオブジェ」なのでございます。