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2010年06月 の日記  ↓下ニ至ル

#エリーゼのために
2010年6月7日(月)

義父の加減が思わしくない。先日は血圧が下がるなどしてお医者から緊急呼び出し。ダンナは職場から呼び戻され、まさかに備えて喪服一式まで抱えたドタバタの帰郷とあいなった。縁起でもないことだが、いざおいそれと取りに帰れる距離でもない。年老いた親と遠く離れて暮らすのはなかなか難儀なことである。

帰ったその日は私が義父に付き添って病院に泊まった。一時意識のなかった義父だが、未明頃から持ち直し、現在は個室から大部屋に戻れるほどに安定している。だが、もう義父が次に家に戻るのは息が絶えた時である。ダンナと義母は葬儀社にも出向いて、然るべきそれそれの算段を始めた。実父の葬儀はどんなだったかなぁと思うが、十年以上昔のことで、ただ沢山の音や感情がザーッとやってきて、私を捕らえてもみくちゃにして、そして波が引くように過ぎ去っていったというような茫漠とした記憶しか残っていない。だが、今回義父に付き添ったことで夜の病院の雰囲気というのはありありと思いだされた。

私は実父の時にも病院で何泊かした。夜の病院というものは静寂なようでいて、これがどうして、そうでもない。まず、ピッピッという機械音、音の高さやテンポを変えて近くから遠くから幾つも聞こえる。ボイラーだろうか、地の底で呻るような低音も途絶えることなく響いている。それに看護士さんの足音や、咳をする音、痰を切る音、ぼそぼそとした話し声、いろいろ混ざる。日中病院にいてもあまり気にならない音たちだが、病棟独特のものだと思う。もの悲しさと、ピッピッと鳴る機械音を一つ二つとただ数えているしかないような、どこか手持ちぶさたな感じ。それに一片の焦燥がまとわりついた、看病する者の心中に不思議とそぐった音である。

実父の時にはなかった「エリーゼのために」のメロディが頻繁に聞こえてくるので、さてなんだろう? と思っていたら、しばらくして、「どうやらナースコールらしい」と察した。曲の鳴るたびに看護士さんがばたばたとナースセンターから駆け出していく。その曲が「チャララ」くらいで切られる時もあれば、「チャララララララララーン、チャラララー、チャチャララー」と長く鳴っている時もある。半時間以上鳴らないときがある。かと思うと立て続けに鳴るときもある。沢山の命が闘っているなぁと思った。思いながら義父の血の混じった痰を拭った。

明け方に、意識の戻った義父と最初に目が合ったとき、
「お義父さん、私、誰だか分かります?」 と聞いたら、
「○○さん」 と、多分親戚であろう私の知らぬ人の名を言った。
しばらくして、看護士さんがもう一度同じ事を聞いたとき、
「ついさん」 と、言ってくれて、私の顔をじっと見ていた。名を呼ばれてそれを当たり前でなく嬉しいと感じることはそう多くはないだろう。実父は倒れてから亡くなるまで一度も意識を戻さなかった。ああ、そうだったなぁと思い出される。

追記:コメントを頂きました。その中の一つ。
>>ついさんにとっては現実だろうに、小説を読むような非現実っぽい共感を感じた。エリーゼのために。逝く人のために。見送る人のために。
+++なぜ、エリーゼのためになんでしょうね? そりゃあトルコ行進曲だの運命だのでは不味かろうと思いますケド。

#アルファポリスさんのこと
2010年6月8日(火)

ゴゴスイが登録させて頂いているオンライン小説リンクサイトが2、3ありまして、その中のアルファポリスさんから先月メールを頂きました。
「『WebコンテンツPickUP!』というコーナーにうちの最新作『桂子さんの成仏』を取り上げてもイイかなー?」 っつー内容で、私は、「イイともー!」 と返信しましタ。

で、それが去る5月28日、めでたくTOPページに掲載されましたのだそうで。しかし、私は帰郷していて見るのをすっかり忘れており……。ちょっとサミシク思っていたら、「TOPページとは別に、当該ジャンルページでは、新しく更新されるまで表示される」ことになってるトカで、ラッキー、まだ現代文学のページに痕跡(?)が残されていました。流石だ、オンライン現代小説。きっと登録数が少ないんだナw。

開設してけっこう長い我が家ですが、余所様からリンクを貼って頂けるというのはいつまで経っても嬉しいもの。毎度ながらで恐縮ですが、思い出のスナップショットを保存させて頂きました。
アルファポリス WebコンテンツPickUP!記事
おおー (゚o゚;)ウチじゃー! バナーもあるー。

ちなみに、この紹介文、あちらで付けて頂いてます。そうかー、こんな具合に紹介記事って書くのかー。「どうして幽霊に?」っていいキャッチ。私は毎度自サイト内での自作自画自賛文に悩むのですが、悩んだ果てにメンドウくなって投げ出すんですガ。……コレ、かっぱらったらイカンのだろうねぇ? やっぱ著作権があるんだろうねぇ。ああ、近日消えるんだろうに。わざわざ中の人が読んでから書いて下さったのだろうに。勿体なーいっっ。かっぱりてぇー!


さて。どす黒い欲望が見え隠れしちゃったところで、なんですガ。
上記のような兼ね合いでアルファポリスさんを見ていた折り、今月のアルファポリスwebコンテンツ大賞「ドリーム小説大賞」が「現代文学」ジャンルだと知りました。滅多にナイよね、オンラインでのこのジャンル。「小指の色」で反射的に参戦してしまいました。……ガ、考えてみると「桂子さん〜」で出るべきでしたか? 折角PickUPされておるのに勿体ないことをしましたカ? いや、そういう不正(かどうかは知らんけども)はけしからんだろうトカ、そもそも内容・枚数で云々トカ、PickUPの挙げ句に無投票だったら再起不能ですよトカ。なんかイロイロ思いました。今更のコトを。オロカなり、私。

えーっと、今現在、既に「無投票」を免れました。投票して下さった上で感想メールを下さった方もいらっしゃいます。どうもありがとうございます。こういうのに参戦するの、初めてです。コワイながらも楽しいね。
宇苅の得票数が見たい方はこのページから、どんどん下っていって下さい。どんどん下った先にいます。バナーがないので見つけにくいことこの上ないです。あのバナーどうやって付けてるんだろう? 誰か教えレ。
6月いっぱいやってるイベントです。よろしくお願い致します。

#想定の範囲外
2010年6月9日(水)

ダンナちゃんと車で移動中に交番を見かけた。まだ引っ越しから二ヶ月なので近場でも知らない場所、通ったことはあっても気づいていない建物って沢山ある。思うに、この交番は我が家から一番近い場所にある交番ではなかろうか。昨今いろいろ物騒なので、

「ここにあるんだね、交番。いざという時はここに駆け込めばいいんだねー」
って、運転席のダンナちゃんに言ったら、返ってきた言葉が、
「ダンナがー……」
だって。

即座に私も、 「ダンナをー……」
って言って、なんか二人で大笑いしタ。

「『ダンナをー』は僕、思いつかなかったなぁ、スゴイなぁ」
と言われたが、こっちだって、『ダンナがー』は予想外だ。お互いに想定の範囲外で良かったことだ。

追記:コメントを頂きました。その中の一つ。
>>コメントというか、この日記を読んだダンナちゃんからのクレーム、ってか会話。
夫「『ダンナがー』には二通りの意味があるよ。『ダンナがヤった』と『ダンナが誰かにヤられた』だ」
私「えー、でも、あの時は『ダンナがヤった』意味で使ってたでしょー?」
夫「それはそうなんだけど、違いを明確にしておきたい。『ダンナをー』をアンタが言ったなら、確実にアンタがヤったんだ!」

+++よく分かった。善処しましょう。「ダンナー」

#深夜、ときどき遠くから聞こえる爆音はキミらか?
2010年6月12日(土)

ドライブ中の赤信号待ちで、男二人乗りの大型バイクが並んだのである。排気音がすごい。二人のいでたちが「いかにも」すぎる。ヤンキーというより愚連隊と呼びたいような古式ゆかしいその感じ。こんなんまだ棲息してるんだなぁと横目に眺めた。

改造バイクというのだろうか、後部シートには首まで保護してくれそうな高くて頑丈な背もたれが付けられている。へー、長時間乗ってても楽そうね、きっと寝こけても平気ねぇ……などと、のんきなことを考えていたら、そのシートに信じがたいものを見つけてしまった。野球バットである。剥き身のままヒモでナナメに挟まれている。ひょいっといつでも抜き取って振り回せそうな無造作感。またこのバットが使い込まれた感じにいい古び具合なんである。あな、おそろし。

これの集団に囲まれたら……だの、真っ昼間から堂々と武器携帯かよ、だの思う。ちょいと前に事件の余波で、キーホルダーに付けているような小さな刃物でも警察の職質を受けるというようなニュース記事を見たが、刃渡り数センチのナイフより、バイクにバットの黄金コンビの方がずーっと殺傷力高いだろう。これ、取り締まらないのかな? 銃刀法には触れないから取り締まれないのかな? 取り締まって欲しいなぁ。

青信号になって走り去っていくバイクを見送りつつ、なぜか私は頭の中に沢山の単語を並べたてていた。
愚連隊、ヤンキー、ちんぴら、不良、与太、ならず者、暴力団……。

追記:コメントを頂きました。その中から。
>>私の初恋の女の子が「暴走天使」と書かれた革ジャンを着てバイクにのっていたそうだ。ああ素晴らしき青春。
+++甘酸っぱい思い出ですね。でもなんで「天使」なんかね? グレてても心はキレイなんだよーのアピール?
>>うちの近所にもスピーカー使って大音量で音楽を垂れ流す不良がいます。迷惑この上ないし、不快感もかなりあるんですが、何だか注意もできません。何せ相手は中学生、乗り物が改造『自転車』では、何だか哀れみの方が断然上回ってしまって……。
+++自転車にスピーカーってすごいなw。他にはどんな「改造」がされているのか気になります。スピーカーも迷惑ですが、両耳イヤホンで音楽聞きつつ、更に携帯も弄りながら自転車に乗ってたりする子がいるでしょう。あれ見ててコワイんだよね。事故りそうで。

#Robert
2010年6月17日(木)

「人物名『Robert』をロバートって読んだり、ロベルトだったり、はたまたロベールだったりするのは、『良子』をヨシコって読んだり、リョウコって読んだりするのといっしょ?」
と、ダンナちゃんに訊ねたら、「めっちゃ違うだろー!」と全否定された。
そっかー、違うのかぁー。

ちなみにロバート(米)、ロベルト(伊)、ロベール(仏)。ダンナちゃんがわざわざ調べてくれました。是非ご活用ください。

追記:コメントを頂きました。その中から。
>>何に活用しろとwww
+++あ、そうだ。ロバート、ロベルト……は活用かもしれないです。「ググる」「ググれば」「ググる時」「ググれカス」的な。ちがう?

以下、その他に頂いた活用例。

>>お近くに譲二(丈治や穣二なども可)くんがいたら、ぜひ『ゲオルグ(独)くん』と呼んであげてください。
>>カエサルとシーザーみたいなものかしら?
+++いろいろあるね。私的にはMichaelでマイケル、ミカエル、ミハエル、ミッシェルが好き。だからなんだ? って話ですけどw。

#雑記
2010年6月22日(火)

Topページの見てくれをちょいと変更。
Googleのサイト内検索って要るかぁ? と思うも、私的にゃ便利な場面もあるので残しタよ。

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今日はものすごーく久しぶりに(10年ぶりくらい?)ハンバーグを作った。久しぶりすぎて焦がした。
「トマトソースだの玉ねぎ炒めだの、これだけの手間を掛けてこの程度のごく普通な味ならば、レトルトか外食がマシだな」と思う。そういや、そう思ったから自分で作らなくなったんだった。イイコトを思いだした。もー作らぬw。

#ほくほくダンナちゃん
2010年6月24日(木)

ダンナちゃんがいそいそと予約なすったiPhone4。無事初日のお受け取り。

私は3GSなので、2年縛りを遵守する所存。OSは4に書き換えたので特に不都合ナイしね。

実は、iPadもダンナちゃんは初日に入手しておりました。こやつ、めっちゃほくほくである。夜勤明けだというのに元気に移行作業に勤しんでおります。

私は移行作業が終わった後のダンナちゃんのiPhone3Gを貰うんだー。そんで動画再生専用機にするんだー。わーい。

追記:コメントを頂きました。その中から。
>>ダンナちゃんが羨ましい。ついさんはiPad買わないの?
+++私はあんなデカいのはいらん。
>>電脳夫妻ですね。時代の最先端を行ってるところがスゴイ!
+++いや、全然凄くないです。他の分野で圧倒的に劣ってるのデ。

#せめて減らせ
2010年6月30日(水)

不気味な夢を見た。身体中に付箋紙を貼られている。薄緑色の付箋紙である。それにはナンバーが黒マジックで1から順に書かれている。で、私は手術台のようなものに拘束されており、横に立った顔も見えぬ(目にも付箋紙を貼られているので見えない)男から、
「はーい、今からこの箱の中のクジをひいていきまーす」 と言われる。
引いたクジの番号順に私の体をアイスピックで突き刺すそうだ。
「50回ひくよー、どーんどんいくよー」

辛そうなので初っぱなが心臓だとイイなぁと思った。でも、そんな虫の良いことナイんだろうなぁとも。大体、どこ刺されたって痛いことには違いない。順番の問題のようだが、イチガイにそうとも言い切れぬ。生き残る可能性とてなきにしもあらず。

幸い、刺される前に目が覚めた。
表層は猟奇だが、中身は人生っぽい夢だったなと振り返る。順番の問題のようだが、イチガイにそうとも言い切れぬ。どうヤられたって痛いは痛い。まぁ、つくつくと思うにだ、それにしたって50回は多すぎる。

追記:コメントを頂きました。その中の一つ。
>>目とかだったら痛すぎるかと……
げ、想像して寒気がした……_| ̄|○

+++私もすぐそれ考えました。目が一番怖いよね。


2010年06月 の日記




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